Saturday, December 8, 2001

[勝間通信」 冬至が過ぎると、はや春の出来事

ついつい顔を出したが最後のモグラ
面白いもので、というか当たり前なことで、冬至が過ぎると春です。太陽が山の端に沈むのが日増しに遅くなっているのがわかります。丘に四方を囲まれた勝間では、冬至の頃には朝日は9時近くにならないと庭先に日差しが当たりません。日没も4時ちょっとすぎ。それが冬至過ぎとともに勢いが変わります。不思議なもので、というか当たり前のことで。春はもう庭先まで。

 庭や畑の枯れ草の間から土が盛り上がっているのも、庭先の春。ちょっと指先で盛り上がっている土をはねると、そこには緑が。去年の秋に受け継がれた息吹がそこにあります。

 このところの暖かさが、猫のお相手まで浮かれて出てきてしまいました。畑に出てはネココたちはおもちゃ代わりを見つけてきます。かわいそうなモグラが、このところ太陽に晒されることになります。まるまると太って、びっしりと身体を覆った柔らかな毛並み、ピンクの鼻先と両手両足。けっこう可愛らしい。

 我々人間様も畑の恵を分けていただくための準備に係らなければならない時期です。部落では、まもなく春祈祷の御幣が辻々に飾られることでしょう。その時勝間が雪で覆われていたとしても、確実に勝間は春なのです。

[勝間通信」 冬の勝間、冬枯れの風景

紅葉した裏庭の雑木林
11月中旬過ぎの千葉は快晴続きでした。午前中はアトリエに入らず、縁側で太陽の恵みをできるだけ受けることにします。紅葉に続く落葉の風景を眺めているだけなのですが、全身が充実する思いです。四季のある日本にひとまず感謝することにします。

 ホントかどうかわかりませんが、あるテレビ番組によると、人間の体内時計は一日が25時間だそうです。それを調節しているのが午前中の太陽、それを狂わせているのが蛍光灯とか。

 例年ですと、落ち葉を集めて堆肥づくりの準備に取りかからなければなりませんが、平均気温が例年を上回っている勝間では、年末まで待たなければならないようです。暮れに仕事が集中してしまいそう。勝間の堆肥は、裏山の落ち葉とコンポストトイレから出るバクテリア入りおが屑で乾燥された人糞、それに近くの養鶏場から安く分けてもらった鶏糞でつくられます。半年ほど時間をかけてできあがりますが、なかなか思った通りの堆肥になりません。発酵の案配が難しい。

田んぼも梅の木も・・・竹だけが緑(左)  枯れ木に「実」の賑わい(右)

Saturday, October 27, 2001

[勝間通信」 田園の茶会

 勝間に移転したせいか、めっきり人と会うことが少なくなりました。
庭先に茶会用テーブルをセット
先日、猫仲間の彫刻家が、一度アトリエを覗いてみたいというので、日よりのいい日を狙って訪ねてきました。庭の手入れを終えたあとなので、見かけはよくなっています。部落から、細い路地路をあがって雑木と竹林に囲まれた古びた一軒家にお出で頂いたわけです。

 午前中、庭にテーブルと椅子、中国茶の茶器セットを持ち出しました。家から電源コードを引き、電気湯沸かしポットを、あとは来賓を待つのみ。

秋の爽やかな空気と穏やかな日差しのなか、二人の友人とお茶を楽しみます。途中から持参いただいた日本酒に世界情勢へと話は弾みます。それやこれやで、秋の太陽はつるべ落ち、向いの山並みに日がかかると、突然空気が冷たくなります。

 アトリエの中ではもう暖が必要です。ストーブと日本酒と熱い会話と、気がつけば外は真っ暗。今日は3ヶ月だったよなといっていたものの、すでに山の端に消えています。熱かった室内を考えれば、冷たい空気もまた味わいがあったかと思います。
ポーターブル中国茶器セットと電気湯沸かしポット

[勝間通信」 たまには自転車で肉体の鍛錬-PDAで走行記録

 昔の人は隠遁生活に入って晴耕雨読、という話を読んだものでした。晴耕雨読、これはかなり厳しい生活パターンです。厳しいというのは、好き勝手に生活しているのとは少し違う、晴れた日には畑にでで肉体を鍛え、雨の日は知識を蓄え脳味噌の活動を促すこと。こちらにきてから知ることになりました。

 アトリエでの活動は、どちらかというと脳味噌をいじくり回す方、椅子に吸い付いたままが多い。思っていた以上に肉体が疎かになります。自転車を活用することにしました。ただ乗り回すだけでは、これも脳がない。そこで、引き出しのなかに置き忘れていたPDAを使うことにします。

 PalmというPDAなのですが、このPDA用のソフトにサイクリングの記録を取るものがあります。走行距離、時間、最高最低速度などのログを取ってくれるもの。自転車の前輪のスポークとフレームに磁気を帯びた鉄の塊を取り付け、回転数を記録してくれるだけの単純なものですが、ソフトが優れていて、いろいろなデーターをわかりやすくグラフィカルに表示してくれます。

PalmPDAで走行時間・距離・速度を記録
ただただ走り続けるという事以外の魅力が加算され、我が身の体力の衰えを知り、次回走行への励ましのメッセージと受け取り、坂道などでの走り方に工夫が生まれました。定点活動の農耕とは違い、移動しながらの肉体の鍛錬、これはこれで意味のあるものと思っている次第です。

Monday, October 15, 2001

[勝間通信」 勝間の竹炭、海を渡る

 小学時代の友人は今、合衆国の西海岸メキシコ国境の町サンディエゴでスーパーのチェーン店を経営している。NIJIYAといえばご存じの方もいることでしょう。先週突然に勝間を訪れて、前回もらった竹の炭を店で売りたいといいます。日本のような、湿潤な環境で炭が使われるのと、乾燥したサンディエゴあたりでは売り方が違うわけです。しかし、当地では信じられないような値段で炭が売られているそうです。

 勿論中国産の安いものも出回っているそうですが、これは確かに質が悪い。勝間の竹炭は触っても粉が手に着いてこない。何かが違うから商売になるかも知れない、友人は考えたわけです。

 勝間には二人、炭焼きがいます。どちらの方も最近炭を焼き始めたばかりです。面白そうだと暇を見つけて窯をつくり、勝間一帯に自生する竹を炭にしていました。まあ、これがなかなかうまくいかない、生焼きだったり焼きすぎたりといい加減さが分からない。そうこうしているうちに本業が忙しくなりお二方、ほっぽっていました。

 国境の町で竹炭を売る、お一方が話に乗ってきました。さっそく試し焼きをして見本の出荷をすることになったのです。製品保証は勝間で、どう売るかは海の向こうで考えることになりました。楽しみな話です。

[勝間通信」 庭師はさすがに匠でした

湿潤な勝間の風景
夏のあいだじゅう、アトリエの整理などなどで畑をカミさん任せにしていたツケが回ってきました。庭先から辺り一面雑草で溢れかえってしまいました。庭木の枝も伸び放題、松の枝もボサボサです。ちょっと手に負えそうにありません。仕方なく庭師に入ってもらうことにしました。

雑草に始まり、庭木に雑木、崩れた段々、積まれたままだった切り倒した竹の始末。これで冬野菜の準備にかかれます。あとは刈り取った雑草と落ち葉を積み上げて堆肥をつくることです。

冬野菜に備えた畑
畑はアトリエの裏、斜面の上にあります。ほぼ三メートルの段差ですので、上がり下りが大変。そこで庭師が切り倒した雑木の枝を使って段々をつくってくれました。ほんの小一時間で二つの斜面に丸太の階段ができあがったのです。まあ、百姓のまねをしようと勝間に入ったのですから、これくらいのことは自分でやらなければならないのですが、まずはお手本を見せてもらうことになりました。

二年後には椎茸がでてくるホダギの元(庭師はいとも簡単に雑木で階段をつくった() 
残りの雑木の枝は椎茸づくりにと、日陰に積み上げてあります。庭師の手伝いできていたバッチャンが実にその辺りが詳しい。雑木に椎茸の菌をうちこむ時期とか、扱いの方法とか、ついでに干し柿の美味しい作り方まで教えを請うことができました。

その干し柿、今年は根持ち病とやらがはやったようで、実の多くが早々と落ちてしまいました。残ったわずかな実が熟すのを待ってつくることにしました。寒さが厳しい冬を期待することにします。

Monday, October 1, 2001

[勝間通信」 わが家の癒し系同居人

勝間アトリエの癒し系同居人
勝間では足早に秋が深まっています。来年を生き抜くために、生きとし生けるものが身体を小さくし始めました。銀ちゃん金ちゃんのヤンマトンボは姿を消し、赤とんぼが飛び回りはじめました。裏の雑木に生息していた青サギも、二周りも大きくなってつい先日姿を消しました。

 7月の猛暑は、柿の実を早々と落とす結果になりました。今年は甘い干し柿をあきらめるほかありません。ただ、毬を早めに作った栗はほくほくとして甘みを蓄えています。夏野菜も最後の収穫、実は小さいのですが、甘いトマトをいまでも楽しめることができます。
 
左からボボ・ビビ・チッチ。わが家の同居人です。不埒に家の中を動き回りますが、その大きさ故に癒し系の同居人として見て見ぬ振りをしています。

 左の彼は尿道結石を持病とし、さんざん獣医の世話になってきました。獣医が尿道管を太く短くする手術が必要と言って来たので、とんでもないと断り、自然治癒に切り替えました。目に輝きが無くなり、動きが鈍くなり、食事もほとんどとらず、猫塚の準備に取りかかったのですが、絶食は尿道への負担を軽くしたのか、いまでは身を引き締め軽々と動き回るほどに快復しました。

 彼、ボボは小さいときから内外かまわず失禁を繰り返してきました。数ヶ月に一度、通院しては尿を抜いてもらっていました。彼は病院に行くと体調がよくなるので、調子が悪くなると我々の目の前で失禁してみせます。それっと、獣医に連れて行っていたのがよくなかったようです。

 獣医は肥満が原因というので、いまではダイエットに励んでいます。体調はすこぶる良好の様子。人間も同じ動物です。癒し系から学ばされました。

Sunday, August 26, 2001

[勝間通信」 お盆が過ぎて秋がやってきた

台風一過、と思いきや、房総半島方面ではあまり影響ありませんでした。

ようやく事務所のなかが体裁を整えました。ほぼ二週間かかっての改装。「できることは自分でやる」で、床の補強と仕上げ材の張り込み、電話回線とLANの引き回しに、ブラインド吊り込みを。「必要?不要!」で、納屋の裏はゴミ?の山に。(ほんの一月前まで東京の事務所に置かれたものだったのに)
久しぶりに見た澄んだ雲 Aug/18/01
八月に入って千葉は冷夏ですが、水道水が急に冷たくなりました。ぬるま湯のようだった水も、手に気持ちよく感じられます。お盆が過ぎた18日、空は秋雲に。これから空気を美味しく吸えそうです。

[勝間通信」 伝統的日本家屋を事務所に改装

四十年経た伝統的日本の農家を事務所に改装しました。日本家屋、捨てたものではありません。千葉など温暖な環境では、高温多湿の日本の気候でも、日本家屋はやはり住むのに一番ではないでしょうか。屋根は瓦ですが、もし茅葺きならば夏涼しく、冬暖かい(お断りしておきます、我慢できる範囲ということで)、環境建築の代表といえそうです。
エントランス/和紙のロールブラインド
伝統的な日本の民家は、柱、梁だけのユニバーサルな構造システム(今の建築法規では許されていませんが、かつての和小屋は独立基礎の貫構造で、すぐれた免震性能を持っていました)、完全なモジュールで、畳・襖・障子など、スタンダードとして認知されていましたから、汎用性の高いものでした。

民家に使われた材料は、主にその土地で生産される自然の材料を使っていましたから、その土地土地での建物に工夫が必要でした。「地産地消」が原則ですから、流通に左右されることはありません。地方地方で、オリジナリティーの高い民家をよく目にすることができたものです。日本の民家が環境的建築といわれた所以でしょう。(世界のなかでも、「地産地消」で造られた民家はみなそうです)
会議室 昼と夜-1/二間六間のユニバーサル・スペース
東京の事務所であつらえた本箱や書類箱などは、移転が決まっていましたので、あらかじめモジュールに沿って設計しておきました。勝間に移っても、襖や障子をはめ込むように配置することができ、違和感もありません。
テーブル奥は中国茶器セットの台
来所の際には烏龍茶でおもてなしいたします
会議室 昼と夜-2/アトリエとエントランスを見る 
アトリエとの境は二間をアルミのブラインドで仕切る
職住一致で時間の余裕が生まれます。今までが往復4時間でしたから、いかに電車のなかで人間動物園の観察に使われていたことでしょうか。いまは、それに変えてお茶の時間に使っています。台湾で仕事をしていた際、あちらの会長さんが、酔った勢いで中国茶のポータブル茶会セットを購入、それを頂いたものです。ようやく相応しい場所がみつかりました。

簡素ですが、上質な時間を過ごしています。

Wednesday, August 15, 2001

[勝間通信」 雨不足の夏がつくってくれた勝間の野菜

7年前、鳥取の高原野菜畑で息をするとのどが熱かった体験を、今年も味わうことになりました。それも事務所の建て替えで移転しなければならない時期に重なるとは。それにしても余計なものが山のようだったとは。

・野菜が旨い!雨不足の夏がつくってくれた勝間の野菜

 今年の夏野菜はみずみずしく、甘く、味があります。梅雨時に雨が少なかったからだそうです。雨不足で困っている農家には申し訳ないのですが、家の裏が畑です。土が乾けば水が撒けます。おかげで毎日の食卓は野菜畑。畑は芸術家ですね。(写真)夏野菜の陳列

(写真)夏の桜、サルスベリの花
・夏の桜と突然のハナビ

玄関前のサルスベリ、今年の暑さはここでも見事な造形を作り出しました。夏に咲く桜の風情です。友人は、敗戦の8月に見た夾竹桃の薄い桃色の花を、暑さが厳しい夏になると思い出すと話していました。

招かれざる客は突然に来ました。出かけて戻ると、納屋の庇の下に野良犬が休んでいました。やけに人なつっこく、挨拶代わりにしっぽを振って待っていました。吠えることもなく、騒がしくもなく、少し前足を傷つけ、空腹そうでした。一応のしつけは心得ていて、他人様の命令にも従順に従います。柴犬の雌の雑種でしょうか、時節柄、「ハナビ」と呼ぶことにしました。
犬は飼ったことがないので、対応がわかりません。わが家にはすでに3匹の猫がいます。猫は「猫なで声」でやってきても、「猫っ可愛がり」しています。みな好き勝手にやっていますので、犬を飼うには、上下関係を明確にしなければならないらしくて、そんな生活には人間様がなじめません。それに、猫は保健所に登録する義務はありませんが、犬にはいろいろ束縛があります。

東谷(わが家がある棚田の谷はそう呼ばれています)のとこでは野良犬を飼っているらしいと、部落では早速話題になってしまいました。本格的に飼うとなれば厄介、しかしハナビを拘束するつもりもありません。ルール違反になるので、保健所に引き取ってもらおうかということになりました。しかし、その結末は知っていますから、気乗りしません。一週間十日と過ぎていきます。

猫たちともある距離を置いてつき合いも出きるようになり、夜の散歩には一家総出で部落の入り口まで降りて戻ってきます。猫たちは草むらに寄り道をしながら、ハナビは先頭を切って、人間様は夜の冷気を楽しんできます(さすがにこの暑さでも、太陽が落ちると徐々に涼しさがやってきます)。

異変を感じたのはそれから、お腹が大きくなってきたのです。はじめてハナビの生い立ちを考えました。自分たちのことすら十分に管理できない人間どもにとって、新しい生命への保証はできません。首輪を外した飼い主を避難するつもりはありませんが、昨今の人間社会の縮図を目の前にすることになったのです。

保健所の職員は、いつものことのようにやってきて、ハナビは東谷を離れていきました。夏のハナビ、一瞬の夏。

Sunday, June 24, 2001

[勝間通信」 ハンディー太陽熱充電器を使ってみる

幕張の仕事が終わって暇ができました。このまま暇のママ過ぎてしまっては困るのですが、まずは事務所移転に本腰を入れなければなりません。

身の回りに目をやると、勝間は雨後の竹の子と雑草で覆われそうです。二週間、三回に分けて草刈りを終えました。さっぱりとした気分ではじめに取りかかった場所を見てみると、もう草が伸び始めています。一呼吸終えてまた取りかかることにしましょう。

・腰にぶる下げ電池を充電 ハンディー太陽熱充電器を使ってみる
(写真)左からPDA/Handy Solar Charger/携帯電話充電器 どれも単4充電乾電池使用
 いつも持ち歩いているバッグには乾電池を使った道具が結構あるものです。CD・MD・MP3のミュージック系、デジカメにPDA、携帯電話の充電器、それに予備の乾電池等々。私は音楽系は持ち歩いていませんが、それでもかなりの乾電池を消費します。以前は使い捨てにしていましたが、一週間程度で5,6本もコンビニの回収ボックスに投げ込むのは気が引けるものです。かわってニッケルメタル水素充電池にしました。夜、充電器に差し込み、翌日換えをバックに納めてでかけます。

しかし勝間に移って、どこまで外からのインフラに頼らないで過ごせるかが一つのテーマだったのですから、電気も出きるだけ使わないで済ませたいものです。そこで目を付けたのがソーラー充電器。以前からあれこれ目にしていたものの、諸兄の使用感はおもちゃの域を出ないという意見が多かった。一応の評判を得ていたのがHPの表紙を飾ったもの。基本仕様は、乾電池タイプ充電池の充電ですので、汎用性があります。別途ケーブルを購入すれば、携帯電話・PDA・3Vデジカメなども接続、充電できます。

(写真)そのほかの乾電池使用機器にも有効 使い回しができ無駄がない

先日試してみたところ、仕様マニュアルに記してある目安、単3フル充電に14時間とありましたが、3時間も太陽に晒してみると、その日に使う分は十分なようで、電池切れの警告が出るようなこともありませんでした。ただ、単4電池では過充電になるむね書かれていましたので、電池を痛めないよう注意が必要なようです。本体価格は4千円ですから、べらぼうという値付けでもありません。

いままでのこの類で一番腹立たしい思いをしたのは、デジカメ。使い捨て専用電池が増えてきましたから、とても高価な電池を都度購入しなければならないこと。それにこれがすぐに底をついてしまいます。いざ撮影というときに警告ランプがつく、予備を持ち合わせていないときは車で探しに走り回らなければなりません。台湾で田舎に出かけるときには二つ三つ予備が必要です。最近、高解像度のデジカメや一部のPDA(下の写真のPDAは最新のものですが、一般電池が使えます)でも汎用乾電池を使えるものがありますので、それに移行させたいなと思っています。そうすれば日が照っている場所ならどこでも電気が得られます。サバイバルにはもってこいですね。

Thursday, June 7, 2001

[勝間通信」 どうみても五月は夏

久しぶりの勝間通信です。 本業の設計の仕事が竣工を迎え、その対応に右往左往していたからです。右往左往するとは、いい加減な仕事と思われるかも知れませんが、時代の要請に対応していたというのが正解でしょうか。

 幕張で集合住宅の設計に携わっていましたが、入居者内覧会で新しい住民から要望がでてきては、変更を繰り返していたからです。一昔前まではそんなことはありませんでしたので、時代が変わったというのでしょうか、ルールが壊れたというのか。今後の参考にしていこうと思っています。

わが家の畑からの眺め
・どうみても五月は夏

 木々や畑とともに生活していると、五月は夏です。そう考えると、学校の夏休みは夏の終わりから秋の始め、お盆は夏の終わり。田舎で生活してきた人たちにとっては当たり前だったのでしょうが、都会育ちはカレンダーが四季の目安。ほんの少し前までは、旧暦(台湾では農歴と呼ばれています)が使われていた場所も多かったようですし、実際、勝間のこの辺りでも作業の目安は旧暦で行っているようです。

 今日から日本列島の大部分が梅雨入り、雨期に入ったわけですね。雨期は夏、東南アジアと同じ、北に位置している分遅く始まります。

田圃の土起こし(撮影は5月始めです)
・棚田の田圃

 勝間の田圃は苗付け時期に悩んでいました。雨が少なかったからです。例年なら、4月の終わりまでには周辺一帯苗は植え終えていたのですが、平地より30メートルほど高い位置にあるここの棚田では、湧き水が少なく、先が読めないまま5月の連休に苗を植えました。

 幸いなことに、その後適当な雨があり今では稲は元気のいい姿を見せています。



Monday, April 23, 2001

[勝間通信」 勝間は水不足に悩んでいます

 勝間は水不足に悩んでいます。雨が圧倒的に少ない、例年の15%というからひどいものです。ばっちゃんの田圃の溜め池に見事な鯉が飼われていますが、水不足、湧き水が期待できない、このままでは田圃に水が引けない。

 で、鯉をとるかお米をとるか、バッチャンは悩んでいました。残念ながらこのままでは合鴨まで水が回ってきそうにありません。先日の一雨も期待ができませんでした。 (メールで、「水不足は裏山の産廃が原因」とお話しした方には訂正いたします)

・竹の子の初物

 ついに竹の子の季節です。十日ほど前から、裏山の竹林に人が入り始めました。それからは隣のバッチャン、下の偏屈さん、みなさんが土間に竹の子を置いて いきます。ただ、今年の竹の子は水不足、刺身で美味しいとはいきません。ややエグイ、やや堅い。で、竹の子の混ぜご飯。これが一番でしたね。一週間続きま すのでやはり飽きます。今仕事をしている幕張の現場事務所に持っていき、みなさんに一口ずつ食べていただきました。

・辺りは緑、庭は満開!

 辺り一面緑の海。いや、雑草が押し寄せてきました。これからは肉体を鍛える季節。そのなかにタンポポの絨毯。我が棚田のタンポポはニホンタンポポです。3年前、始めてこちらで見たタンポポは、西洋タンポポとニホンタンポポが半々でした。繁殖力の強さは西洋タンポポです。で、保護政策を採った結果今ではニホンタンポポで埋め尽くされます。

(左)庭のぼけ (右)土手/黄色がれんぎょうピンクがぼけ (4月18日撮影)

Monday, April 16, 2001

[勝間通信」 今年こそ!-合鴨用に池が整備された

 忙しさか、落ち着かないのか、HPの更新が遅れました。ネタだけは溜まっていくのですが。で、次回からはさぼらずご提供していくつもりです。

 昨年はほとんど人様の胃袋行きとなってしまった隣の合鴨、今年はちゃんと田圃で動き回ってくれそうです。週末、隣のお父さんが湧き水を溜めている小さな池を掃除していました。池から田圃までの溝も広げて、網を張る予定だそうです。なにしろ、我が家の猫子は野獣ですので、小鳥を片っ端から捕まえてしまいます。おかげで我が家周辺の小動物の生態系が変わってしまったくらいですから。注意注意。田圃で遊び回る合鴨、見てみたいですから。


左の写真は、杉花粉が飛び散った瞬間です。花粉症でお困りの方には目に毒ですね。しかし、見ている分にはなかなか美しい一瞬です。生憎、私はまだ花粉症に悩まされていません。春先、強風が吹くときには、縁側で目の前の杉木立をのんびり眺めるのが老後の楽しみ?になりそうです。いよいよ杉の子があちらこちらの土の中から芽を出し始めます。あちこちですから抜くのに一苦労。

右の写真は満開の梅。枝振りが悪いのは、隣のバッチャンに剪定せい!と言われたため。ひょんひょん伸びた枝を落としたところ、写真のような様に。この梅、ここ二年間実がなっていません。「桜剪る馬鹿、梅剪らぬ馬鹿」の謂われに従ったところ、評判だったこの梅の木、実が付かなくなってしまいました。勝間に移って始めて収穫した大量の梅の実を、梅エキス・梅ジュース・梅酒・梅干しと、梅づくしできたのですが。梅エキスなどは、匙の先にほんの少しつけてなめるだけで、畑の疲れが吹っ飛んでしまったものです。さあ、今年はどうでしょうか、21世紀に生き残るためにも梅が実を付けることを祈るばかりです。

Thursday, March 15, 2001

[勝間通信」 大風邪でダウン

  先々週、台湾に着いたときから気になっていたのがその気候。薄ら寒くて肌が刺されるような湿気。人曰く、台湾の年間を通じてもっとも最悪な時期、だったようです。おかげで行動は緩慢になるし、同行の小説家には「やる気を無くしていくのがよくわかった」といわれてしまいました。
 結局日本に戻ってみると、発熱・悪寒・疲労ともっとも最悪な組み合わせで床に伏せることになりました。別の人曰く、「日本が寒い時期にはもっと寒い場所へ、日本が暑いときはより暑いところへ旅するのが身体にはいい・・・」。有道理。

・突然の同窓会ー21世紀の「農」を目指して?

  風邪が治ったか!と思った日曜日、突然小学校時代の友人から電話が入りました。近くまで来ているので寄るというもの。上に掲載した写真は、そのとき撮影したものですが、男たち3人(私も入れると4人)に共通しているのは農耕。

 一人は本家本元の農業、入間でポインセチアの園芸栽培を生業としている。NHKに講師ででていたりします。他の一人は合衆国西海岸のサンディエゴでスーパーを何軒か開いているのですが、夢は自分の店先に自分で育てたオーガニック野菜を並べること。そのためにパロマ天文台に近い山間の土地25ヘクタールを購入したばかり。残りの一人は養老渓谷の民家を現代的に改築し、そこでの農耕生活を目指そうとしている大学の講師。

21世紀の農業を背負う男たち?になりえるか (3月10日撮影)
途中参入の農耕者の問題点は、「ところで誰が耕すの?」でしょう。「明日はやるぞ!のために前の晩はお酒が入って・・・」とは奥方の話。サンディエゴの場合は、さすがに広域ですから一人二人でというわけにはいきません、「ヒスパニックを何人か雇って・・・」で、夢の実現にはまだまだ先の話、というオチになりかねません。私とて同じようなもの、小型耕耘機を購入したものの、最後はやはり体力勝負と相成ります。

 我々の希望を語り合う脇で、となりのバッチャンは芽吹き始めた畦の雑草を軽快に刈り取っておりました。


Wednesday, February 28, 2001

[勝間通信」 今年も御幣が路辻に

立春とともに、今年も勝間では春を迎える行事が始まりました。その一つが春祈祷、豊作を願って部落の入り口になる道筋に御幣が祭られます。我がアトリエは、かつて勝間から隣り部落への道筋にあり、ウグイスラインという自動車道路が整備されるまでは小中学校の通学路になっていました。いまでは山の中に入る人しか使っていませんので、我がアトリエ専用の路になってしまいました。

  部落からこの路にでる辻には道祖神が建てられています。このあたりの尾根沿いの路にはよく見られます。そこで部落の人たちは、豊作の神様に部落に留まっていただくよう祈願をかけた、それが春祈祷です。恐らく、農業を生業とする地方の多くでは、このようなことをしたのだろうと思われます。勝間部落では、老人会がこの行事を毎年続けているのだそうです。

 真新しい和紙と藁と竹でできたこの祈祷を見ると、春の到来を視覚的に感じさせてくれます。いよいよ畑の準備、昨年は水不足で小振りのものしか収穫できませんでしたので、今年は豊作を祝うことにしました。

(写真)かつては隣部落へ続く路、今ではアトリエ専用路

Monday, February 12, 2001

[勝間通信」 春が山から下りてきたはずだったのですが・・・

 2月4日は立春、勝間の乾いた色合いが急に変わり始めました。薄緑色が加わったのです。それに蕾だった梅が一輪ついに開きました。目に見えて春がやってきたのがわかります。

 勝間の棚田では、春は他でも知ることができます。毎年今頃、裏山の奥から鵞鳥の群のような鳴き声が始まると春なのです。一晩かけてこの鳴き声は山を下りてきて、まだ冷たい田圃の中で消えます。春がエルの求愛の音です。朝早く、蛙の群はまた山に戻っていきます。平穏な風景の中に、田圃には数多くの卵が残されます。

 ところが今年はどうでしょう。立春の翌日に聴いたラブソングは、その日の夜の雪とともに今日まで聞こえてきません。彼らはまた地中に戻ってしまったのでしょうか。

・勝間アトリエの気温変化を掲載します 
 
今回から、勝間アトリエの気温変化を載せることにしました。
左側のレベルが室内、青の棒グラフがその日の最高気温です。右側のレベルが屋外、赤の棒グラフで表されています。2月2日、立春の前が寒かったですね。ほぼ2.5度でした。屋外の測定器は、北側屋根庇裏に設置しています。日に当たることはありません。屋内は北側6畳、暖房はしていません。寝室に使っています。

 気温の他に、湿度・風向・風速・風力・気圧・降水量が測定できます。特徴がでたときには、ご紹介していきたいと思います。

赤:屋外(右) 青:屋内(左)

Monday, January 29, 2001

[勝間通信」 大雪になると・・・

 1月27日の予想できなかった大雪は、勝間一帯にも被害をもたらしました。まず、雨樋の多くが雪の重みで垂れ下がったり外れたり。暮れに直したばかりの箇所が見事に外れていました。ペンキ屋同様ここもいい加減な仕事だったことがわかりました。棟梁は、昔は自分で手を下したのでしょうが、年をとると口だけになってしまったのか、手伝いの恐らく「百の匠」だった老人をアゴで使っていました。やはりペンキ屋の仕事もそうでしたから、人件費削減がエンドユーザーにしわ寄せされてくるのでしょう。

そう考えると、建物を建てる際に建築家という専門家が設計監理をすることはいいことなのだ、と自分の仕事に納得したりします。(ただ最近の建築を見ると、デザインは建築家に・・・工事はお任せします、的なところが見受けられますが)

大雪は、勝間の風情を一変させます。眺めている分には幽谷な気分を味会わせてくれます。周囲の孟宗竹が雪の重さに枝垂れた姿を眺めながらお茶を一服、墨絵の世界ですね。

(写真上)サルスベリの枝を垂らしたベタ雪 1/27/01
(写真下)雪に覆われた勝間アトリエ 1/27/01



Monday, January 15, 2001

[勝間通信」 このところの寒波がおいしい干し柿を

 
昨秋、庭先の柿の木 こんなのがあと3本 実は小振りですが、味は本格的でした

 前の住み手が挿し木で育てた庭先に柿木が4本、まだ若いですがあります。柿木は日本の農村の原風景みたいなもの、柿の葉のまだらな赤と柿が熟れたときの赤は、都会育ちの私でも幼児記憶にしみこんでいます。
一昨年、干し柿に挑戦、結果はじゅくじゅくで固くならずなおかつカビが表面について口にできませんでした。 こりずに昨年も試みてみました。遅い冬に「だめか」と思っていたところ、寒波到来で一挙に実が締まりコテッとした口当たり、やりましたね。
雨樋の修理の下見にやってきた棟梁に勧めたところ、「いやいや・・・」、「おいしいですよ、ほら」と食べてみせると、「ほう、そうかい。そんじゃ一つ」「ほー、こりゃうまい」。

・「アジアから主食が消えていく」 / ちょっとお米の話

先日、NHKの「アジアから主食が消えていく」という番組を見ました。アジアの新興農業国が商品として米を作り始めたことにより、結果穀物不足に陥ってしまった、なぜか?というおはなしで、
解説者の熊本大学徳野貞雄氏曰く・・・

「稲作は地域の家族、文化、環境と一体。旧大陸の(中国等)と異なり新(インドネシア等)大陸の稲作は商品として、経済作物として進められた。インドの緑の革命、イリ米政策は失敗。これは工業製品としての米は自然の摂理を越えられなかったこと・・・」

「田圃は単に米だけ作っていたのではなくて、魚がおったり野菜ができたりトータルな食品を作っていた。工業製品としての米は米だけのことを考えるので、結果として魚や野菜がなくなってしまった。米だけの生産性を追ってもだめ・・・」

なんて話なんですが、私にはとても興味深かった。

・ WebPage顛末記

年賀状にWebPageのアドレスを入れた関係で、年末は夜なべでPageづくり、仕事の夜なべより厳しかったのでした。結果、最初の立ち上げは不十分な出来上がり、年明けからは日々補修に明け暮れる始末でした。立ち寄った方にはご迷惑かけました。
まだ手が着いていないのが、本業の建築関係、困ったものです。あとは中国語の書き手がなかなか見つからない。困ったものです。(できないものはやるな! )
ご意見をいただければ幸せです。重い、見にくい、文章がおかしい、何でも結構です。
投稿はもっとも期待しています。