Sunday, August 26, 2001

[勝間通信」 伝統的日本家屋を事務所に改装

四十年経た伝統的日本の農家を事務所に改装しました。日本家屋、捨てたものではありません。千葉など温暖な環境では、高温多湿の日本の気候でも、日本家屋はやはり住むのに一番ではないでしょうか。屋根は瓦ですが、もし茅葺きならば夏涼しく、冬暖かい(お断りしておきます、我慢できる範囲ということで)、環境建築の代表といえそうです。
エントランス/和紙のロールブラインド
伝統的な日本の民家は、柱、梁だけのユニバーサルな構造システム(今の建築法規では許されていませんが、かつての和小屋は独立基礎の貫構造で、すぐれた免震性能を持っていました)、完全なモジュールで、畳・襖・障子など、スタンダードとして認知されていましたから、汎用性の高いものでした。

民家に使われた材料は、主にその土地で生産される自然の材料を使っていましたから、その土地土地での建物に工夫が必要でした。「地産地消」が原則ですから、流通に左右されることはありません。地方地方で、オリジナリティーの高い民家をよく目にすることができたものです。日本の民家が環境的建築といわれた所以でしょう。(世界のなかでも、「地産地消」で造られた民家はみなそうです)
会議室 昼と夜-1/二間六間のユニバーサル・スペース
東京の事務所であつらえた本箱や書類箱などは、移転が決まっていましたので、あらかじめモジュールに沿って設計しておきました。勝間に移っても、襖や障子をはめ込むように配置することができ、違和感もありません。
テーブル奥は中国茶器セットの台
来所の際には烏龍茶でおもてなしいたします
会議室 昼と夜-2/アトリエとエントランスを見る 
アトリエとの境は二間をアルミのブラインドで仕切る
職住一致で時間の余裕が生まれます。今までが往復4時間でしたから、いかに電車のなかで人間動物園の観察に使われていたことでしょうか。いまは、それに変えてお茶の時間に使っています。台湾で仕事をしていた際、あちらの会長さんが、酔った勢いで中国茶のポータブル茶会セットを購入、それを頂いたものです。ようやく相応しい場所がみつかりました。

簡素ですが、上質な時間を過ごしています。

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