Wednesday, August 15, 2001

[勝間通信」 雨不足の夏がつくってくれた勝間の野菜

7年前、鳥取の高原野菜畑で息をするとのどが熱かった体験を、今年も味わうことになりました。それも事務所の建て替えで移転しなければならない時期に重なるとは。それにしても余計なものが山のようだったとは。

・野菜が旨い!雨不足の夏がつくってくれた勝間の野菜

 今年の夏野菜はみずみずしく、甘く、味があります。梅雨時に雨が少なかったからだそうです。雨不足で困っている農家には申し訳ないのですが、家の裏が畑です。土が乾けば水が撒けます。おかげで毎日の食卓は野菜畑。畑は芸術家ですね。(写真)夏野菜の陳列

(写真)夏の桜、サルスベリの花
・夏の桜と突然のハナビ

玄関前のサルスベリ、今年の暑さはここでも見事な造形を作り出しました。夏に咲く桜の風情です。友人は、敗戦の8月に見た夾竹桃の薄い桃色の花を、暑さが厳しい夏になると思い出すと話していました。

招かれざる客は突然に来ました。出かけて戻ると、納屋の庇の下に野良犬が休んでいました。やけに人なつっこく、挨拶代わりにしっぽを振って待っていました。吠えることもなく、騒がしくもなく、少し前足を傷つけ、空腹そうでした。一応のしつけは心得ていて、他人様の命令にも従順に従います。柴犬の雌の雑種でしょうか、時節柄、「ハナビ」と呼ぶことにしました。
犬は飼ったことがないので、対応がわかりません。わが家にはすでに3匹の猫がいます。猫は「猫なで声」でやってきても、「猫っ可愛がり」しています。みな好き勝手にやっていますので、犬を飼うには、上下関係を明確にしなければならないらしくて、そんな生活には人間様がなじめません。それに、猫は保健所に登録する義務はありませんが、犬にはいろいろ束縛があります。

東谷(わが家がある棚田の谷はそう呼ばれています)のとこでは野良犬を飼っているらしいと、部落では早速話題になってしまいました。本格的に飼うとなれば厄介、しかしハナビを拘束するつもりもありません。ルール違反になるので、保健所に引き取ってもらおうかということになりました。しかし、その結末は知っていますから、気乗りしません。一週間十日と過ぎていきます。

猫たちともある距離を置いてつき合いも出きるようになり、夜の散歩には一家総出で部落の入り口まで降りて戻ってきます。猫たちは草むらに寄り道をしながら、ハナビは先頭を切って、人間様は夜の冷気を楽しんできます(さすがにこの暑さでも、太陽が落ちると徐々に涼しさがやってきます)。

異変を感じたのはそれから、お腹が大きくなってきたのです。はじめてハナビの生い立ちを考えました。自分たちのことすら十分に管理できない人間どもにとって、新しい生命への保証はできません。首輪を外した飼い主を避難するつもりはありませんが、昨今の人間社会の縮図を目の前にすることになったのです。

保健所の職員は、いつものことのようにやってきて、ハナビは東谷を離れていきました。夏のハナビ、一瞬の夏。

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