Friday, October 28, 2005

[農暦9月16日] ポール・フレールに教わったこと

[農暦] 9月16日 [月齢] 14.2 十六夜月 [潮汐] 大潮 [勝間の天気] 雨

オートマチック車の運転で、ブレーキとアクセルを踏み間違えた事故がまた起こりました。交通事故に遭って亡くなることほど無意味なことはありません。わたしはそんな死に方は絶対にいやです。

ポール・フレールというモーター・ジャーナリストの本に、「ハイスピードドライビング」というのがあります。四十年くらい前、二玄社から出版されました。この本から教わったこと、それはいかに安全・確実・快適に速く走るか、走行する環境の中でいかにリスクを読み取り、乗り切るか、というものでした・・・

その中で、オートマチック車の運転の仕方について書かれた章がありました。今でこそF1マシンもオートマチック、当時は高級車に乗せられていましたが、それでも安全・確実・快適・高速な運転方法を説いています。

簡単です。アクセルペダルは右足、ブレーキは左足で踏みなさい。オートマチック車は2ペダルです。両足を使いましょう、というものです。右足は加速のため、左足は止めるため、踏み間違えることはありません。反応が早く確実になります。

この本が出版された当時、オートマチック車は運転が「かったるい」ものでした。そこに登場したのが、レスポンスのいい小型乗用車のホンダ・シビック。ラインナップにオートマチック車がありました。所有していたマニュアルギアボックスを持った車から乗り換えます。

早速試してみます。近くの大規模開発地の工事用道路を使って30分ほど乗り回します。ブレーキの塩梅が分からない。急ブレーキになってしまいます。はじめはちょっと不安でしたが、だんだんとコツが掴めてきました。慣れてくるとスポーティーな走りもできるようになります。ブレーキを踏みながらアクセルを踏み込み、回転数を上げておきブレーキを離す。コーナーではアクセルを緩めずにブレーキで減速させ、コーナーの出口でブレーキを離す。ヒー・アンド・トーみたいなことも楽しめます。

今ではそんな走りはしていません。しかしそれ以降、急ブレーキで何度か危険から逃れることができました。それに、なによりパニックになったときの踏み間違えから逃れることができる、これが最大のメリットになっています。特に年をとればとるほど。

こんな方にお会いしたこともありました。アメリカでの生活が長く、ご自身で軽飛行機を操縦もされている。この方の車に同乗すると、両足運転です。なぜ?とお聞きすると、軽飛行機も2ペダル、で自動車も2ペダル運転と。ウンウンと頷いてしまいました。

当時は仲間の誰もが2ペダル操縦に耳を貸してくれませんでした。それからしばらくして日本人初めてのF1ドライバー・中島悟氏が、どこかで2ペダル操縦をしている話をしたことが記事になったとかで、若い人たちも積極的に取り入れたと聞いています。

[写真はオールド・ミニのオートマチック] 

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